親の介護は、始まる日を選べません。ある日、病院から電話が来て、そこから急に始まります。40代・50代の会社員にとって、いちばん準備しにくいのがこの種類の変化だと思います。
2025年4月から、会社は社員が40歳になったときに、介護の制度を知らせることになりました。その中心にあるのが介護休業です。この記事では、制度の中身と、使う前に知っておくことを書きます。一般的な制度の説明で、個別の判断や助言ではありません。
介護休業とは、どんな制度なのでしょうか?
家族に介護が必要になったとき、仕事を休める制度です。対象の家族1人につき、通算93日まで休めます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 休める日数 | 対象の家族1人につき、通算93日まで |
| 分け方 | 3回まで分割できる |
| 休み中のお金 | 雇用保険から介護休業給付金(休む前の賃金の67%が目安) |
93日は続けて取らなくてもかまいません。最初に介護の手配をするとき、状態が変わったとき、と3回まで分けて使えます。
介護休業は、自分で介護をするための休みなのでしょうか?
国の説明では、介護の体制を整えるための期間とされています。
93日は、家族の介護をすべて自分で担うには短い日数です。この休みは、ケアマネジャーと相談する、介護サービスを決める、家族で役割を分ける、といった体制づくりに使うことが想定されています。
ここを知らないと、「93日しかない」と感じて休むのをためらいがちです。体制を整えるための期間だと分かっていれば、使い方の見通しが立ちます。

2025年4月から、何が変わったのでしょうか?
会社が、早めに知らせることと、申し出た人に個別に説明することが義務になりました。
| 変わったこと | 中身 |
|---|---|
| 40歳での情報提供 | 40歳になる年度(または誕生日の翌日から1年)に、制度の内容・申し出先・介護休業給付金を知らせる |
| 申し出たときの個別説明 | 介護に直面したと申し出た社員に、制度を個別に説明し、使うかどうかの意向を確かめる |
| 雇用環境の整備 | 研修、相談窓口、事例の紹介などのいずれかを行う |
| 介護休暇の対象拡大 | 勤続6か月未満の社員を労使協定で外すしくみがなくなった |
40歳で案内が届くのは、介護が始まる前に制度の名前と申し出先を知っておいてもらうためです。
介護休業とは別に、使える休みはあるのでしょうか?
1日や半日単位で取れる、介護休暇があります。
介護休暇は、対象の家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)まで取れます。通院の付き添いや、ケアマネジャーとの面談のように、短い時間で済む用事に向いています。
長く休んで体制を整えるのが介護休業、日々の用事に使うのが介護休暇、と分けて覚えておくと使いやすいです。
管理職として、部下から介護の相談を受けたらどうすればいいのでしょうか?
まず話を聞いて、人事の窓口につなぐことです。
部下から介護の話を切り出されたとき、管理職がその場で制度の細かいことまで答える必要はありません。2025年4月からは、申し出を受けた会社が個別に説明することになっています。管理職の役割は、話しやすい雰囲気をつくって、人事の窓口につなぐことです。
評価をつける側として付け加えると、介護で休んだことを評価で不利に扱わないことも大事です。休業の取得を理由にした不利益な扱いは、法律で禁じられています。

よくある質問
介護休業は、親だけが対象ですか?
配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫が対象です。
介護休業給付金は、誰でも受け取れますか?
雇用保険に入っていることなど、いくつかの条件があります。詳しくは会社の人事か、ハローワークで確かめてください。
40歳の案内が届かなかったら?
会社の人事に、制度の内容と申し出先を聞いてみてください。案内の方法は、面談、書面、メールなど会社によって違います。
まとめ
- 介護休業は、対象の家族1人につき通算93日、3回まで分けて休める制度
- 休み中は、雇用保険から賃金の67%を目安に給付金が出る
- 自分で介護を続けるためではなく、介護の体制を整えるための期間
- 2025年4月から、40歳での情報提供と、申し出た人への個別説明が会社の義務になった
- 1日単位の用事には、年5日の介護休暇も使える
介護は始まる日を選べません。制度の名前を知っていたかどうかで、最初の一週間の動き方が変わります。
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出典
- 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(2025年4月1日施行分)