役職を外れる時期は、どうやって決まっているのか。多くの会社では、年齢です。一定の年齢になると役職を外れる、役職定年という仕組みです。
一方で、年齢ではなく期間で区切る考え方もあります。役職任期制です。この記事では、二つの違いと、40代・50代の管理職が先に確かめておくことを書きます。
役職任期制とは、どんな仕組みなのでしょうか?
役職ごとに任期を決めておき、任期が来たら、続けるかどうかを決め直す仕組みです。
課長なら何年、部長なら何年、というように期間を区切ります。期間が終わるときに、その間に何をしたかを見て、続けるか、交代するかを決めます。
続けるかどうかの判断材料は、年齢ではなく、その期間の中身です。若くても交代することがありますし、年齢が上でも続けられます。
役職定年とは、何が違うのでしょうか?
外れる理由が、年齢か、期間か、です。
| 役職定年 | 役職任期制 | |
|---|---|---|
| 外れるきっかけ | 一定の年齢になったとき | 任期が終わったとき |
| 判断に使うもの | 年齢 | その期間に何をしたか |
| 外れる時期の見通し | 年齢で読める | 任期ごとに決まる |
| 若い人の場合 | 年齢まで続けられることが多い | 任期で交代することがある |
役職定年は、外れる時期が年齢で読めるぶん、計画は立てやすい仕組みです。役職任期制は、外れる時期が成果で決まるぶん、緊張感はありますが、年齢だけで一律に外されることはありません。

いま、どちらが多いのでしょうか?
いまの主流は役職定年のほうです。
東京商工リサーチの2025年の調査では、役職定年の制度を取り入れている会社は、大企業で41.0%、中小企業で17.8%でした。
一方で、dodaが2025年に中途採用の担当者505人に聞いた調査では、この1年で見直した人事制度の1位が役職定年で、42.4%でした。年齢で一律に外す仕組みは、見直しの対象になり始めています。その見直しの中で、期間で区切る形が検討されることがあります。
役職任期制を取り入れている会社の割合については、確かな数字は見当たりませんでした。ここでは、増えているとは言わずにおきます。
いまの年収が同じ年代の中でどのあたりにいるのかは、国の統計(令和7年賃金構造基本統計調査)で確かめられます。
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役職を外れたあと、会社にいる時間はどれくらいあるのでしょうか?
長いです。2025年4月から、65歳までの雇用は希望する人全員が対象になりました。
継続雇用の対象者を労使協定で絞れる経過措置は、2025年3月31日で終わりました。役職定年が55歳なら、外れてから65歳まで10年あります。役職任期制なら、外れる時期がもっと早くなることもあります。
どちらの仕組みでも、役職を外れたあとに何をするのかを考えておく意味は大きくなっています。
評価をつける側から見て、任期制で役職を続けられる人はどんな人でしょうか?
任期の中で、何を変えたのかを説明できる人です。
任期制で見られるのは、役職にいた期間の中身です。私が評価をつける側として見るのも、数字の結果だけでなく、「この期間に、チームの何を変えたのか」です。部下が育った、やめた仕事がある、仕組みを一つ直した。こういうことを自分の言葉で説明できる人は、任期を続けやすいと感じます。
逆に、役職を持っていること自体が目的になっている人は、任期の節目で説明に詰まります。

40代・50代の管理職は、何を確かめておけばいいのでしょうか?
自分の会社の規程に、役職がいつ、何で外れると書いてあるかです。
役職定年なら何歳か。役職任期制なら任期は何年か。外れたあとの給与はどう変わるのか。人事の規程や就業規則に書かれています。年齢なのか、期間なのかで、40代からの見通しの立て方が変わります。
よくある質問
役職任期制と、役職定年を両方取り入れている会社もありますか?
会社によっては、任期制と年齢の上限を組み合わせている場合もあります。自社の規程で確かめてください。
任期が終わって交代したら、給与は下がりますか?
役職手当がなくなるのが一般的です。基本給がどう変わるかは、会社の賃金規程によります。
まとめ
- 役職任期制は、役職ごとに期間を決め、期間が来たら続けるかを決め直す仕組み
- 役職定年は年齢で外れ、役職任期制は期間とその中身で外れる
- いまの主流は役職定年(大企業の41.0%)だが、見直した制度の1位も役職定年(42.4%)
- 2025年4月から65歳までの雇用は希望者全員が対象で、外れたあとの時間は長い
- 自社の規程に、役職がいつ、何で外れるかを確かめておく
役職をいつまで持てるかは、仕事の出来だけでは決まりません。どの仕組みの会社にいるかで、先に決まっています。
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出典
- 東京商工リサーチ 役職定年制に関する企業調査(2025年6月・6,483社)
- doda 中途採用担当者調査(2025年8月・505人)
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法」