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40代で管理職をしていて転職を考えると、最初に浮かぶのは「この年齢で、この役職で、取ってくれる会社があるのか」だと思います。
検索して出てくるのは、転職エージェントが書いた「40代管理職が転職を成功させるポイント」です。書いてあることは間違っていませんが、どれも「エージェントに相談してください」で終わります。相談する前に、自分で確かめられることがあります。
私は中途採用の面接をする側にいます。40代の管理職経験者を迎える側から見て、どの順番で動くと無駄が少ないかを書きます。
40代の転職で、年収は上がっているのでしょうか?
40代では、上がった人のほうが下がった人より多いです。逆転するのは50代前半です。
厚生労働省の「令和7年 雇用動向調査」(2026年8月31日公表)で、転職した人の賃金が前の会社と比べてどう変わったかを年齢別に見ると、こうなります。
| 年齢 | 増えた | うち1割以上 | 減った | うち1割以上 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 40.8% | 28.2% | 31.0% | 21.9% |
| 40〜44歳 | 44.9% | 29.9% | 27.4% | 17.6% |
| 45〜49歳 | 41.1% | 30.0% | 30.1% | 16.1% |
| 50〜54歳 | 29.4% | 18.4% | 42.0% | 28.3% |
40代前半は、全体よりも「増えた」が多く、「減った」が少ない年代です。「40代だからもう遅い」は、少なくともこの数字からは言えません。数字の向きが変わるのは50代前半で、「減った」が42.0%と、「増えた」の29.4%を上回ります。
ただし、これは実際に転職した人の結果です。動こうとして動かなかった人は入っていません。そして40代でも、半分以上は上がっていない。その差を分けるのが、ここから書くことです。
企業は40代を採ろうとしているのでしょうか?
採用を増やす見込みと答えた企業は、40代後半で半数近くあります。
パーソルキャリア(doda)が2025年8月に中途採用の担当者505人に聞いた調査では、2025年度にミドル・シニアの採用を増やす見込みと答えた割合が、40代後半で46.7%、50代前半で40.4%でした。
採る側の席にいると、この数字は実感と合います。若手の応募だけでは埋まらない席が増えていて、その席は「すぐに任せられる人」を求めています。40代の管理職経験者が呼ばれるのは、たいていこの席です。
面接する側は、40代の管理職経験者の何を見ているのでしょうか?
「何人を見ていたか」より、「何を決めてきたか」です。

管理職の職務経歴書は、たいてい「部下◯名をマネジメント」「予算◯億円を管理」から始まります。読まないわけではありませんが、ここでは差がつきません。同じ年代の応募者は、だいたい同じことを書いてくるからです。
差がつくのは、その人が決めたこと、やめたこと、そしてその結果です。何をやめる判断をしたのか。誰をどこに動かしたのか。うまくいかなかったとき、何を変えたのか。面接で聞きたいのもそこです。
もうひとつ、前の会社の肩書きは、こちらの会社では同じ意味を持ちません。「部長」が見ている範囲は会社によってまったく違います。肩書きで判断しないので、肩書きで説明されても判断材料になりません。
応募の前に、何から始めればいいのでしょうか?
エージェントに相談する前に、スカウト型のサービスに経歴を置いて「声がかかるか」を見ます。

エージェントの面談は、自分が相手に向けて話す場です。スカウト型のサービスは逆で、企業やヘッドハンターが経歴を読んで、反応するかどうかを決めます。面接する側の目にいちばん近いのは、こちらです。
やり方は単純です。
- 職務経歴をそのまま登録する。最初から作り込みすぎない
- 3週間ほど、届いたスカウトの職種・年収帯・業界を眺める
- 声がかからない、あるいは思っていたのと違う方向から来るなら、経歴の書き方を直してもう一度見る
声がかかる方向を見れば、自分の経歴が外でどこに値段がつくのかが分かります。逆に、ほとんど来ないなら、それは「市場がない」のか「書き方で伝わっていない」のかを分ける材料になります。どちらなのかが分かってから応募しても、遅くありません。
届いたスカウトを読む前に、自分がどの方向に動きやすいのかを先に知っておくと、どれが自分に合う声なのかを見分けやすくなります。40代・50代向けに、8問・1分の転職タイプ診断を用意しています。
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スカウト型の代表的なサービスには、リクルートダイレクトスカウトやビズリーチがあります。どちらも、年収や職歴によって届くスカウトの量が大きく変わります。
エージェントは、どう使えばいいのでしょうか?
2社までにして、「総合型」と「自分の職種の専門型」を1社ずつにします。
たくさん登録すれば機会が増えるように見えますが、面接する側から見ると困ることがあります。同じ人が、別々のエージェントから同じ求人に推薦されてくることがあるのです。どちらの経路を通すかで社内の手続きが止まりますし、本人が自分の応募先を把握できていない印象にもなります。
総合型は、年収600万円を超える層を扱うハイクラス向けのエージェントを1社。そこに、自分の職種に特化したエージェントを1社足します。
経理・財務・人事・総務・法務・経営企画といった管理部門の管理職なら、専門型は管理部門に特化したエージェントが合います。
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職務経歴書を登録しておくと、ヘッドハンターや企業から直接スカウトが届く仕組みです。応募しなくても、いまの経歴に外から声がかかるかを確かめられます。年収が高めの管理職・専門職向けのサービスで、基本の利用は無料です。
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職務経歴書の最初の数行には、何を書けばいいのでしょうか?
肩書きではなく、「決めたこと」をひとつ書きます。

最初の数行は、面接する側が「この人に会うかどうか」を決める場所です。ここに「営業部長として部下を統括」と書くと、読む側には何も残りません。
代わりに、自分が決めたことをひとつ置きます。続けていた事業をやめる判断をして、人を別の部署に移した。評価の基準を書き直して、異動の決め方を変えた。大きな話でなくてもかまいません。判断と、その結果が一行に入っていることが大事です。
スカウト型のサービスに経歴を置いたときに反応が変わるのも、この最初の数行です。直す前と直したあとで、届くスカウトの方向がどう変わるかを見ると、書き方の効き目がそのまま分かります。
50代が近いときは、何が変わるのでしょうか?
減る人のほうが多くなります。動くかどうかを早めに決める理由は、そこにあります。
先ほどの表で、50代前半は「減った」が42.0%で、「増えた」の29.4%を上回っていました。40代後半と50代前半のあいだで、数字の向きが変わっています。
役職定年がある会社なら、50代の半ばで役職を外れることもあります。転職するかどうかを決めるのは、その前でも後でもかまいません。ただ、市場で自分がどう見えるかを知るのは、早いほうが選べる手が多くなります。
まとめ
- 40代の転職では、年収が「増えた」人のほうが「減った」人より多い(40〜44歳で44.9%対27.4%)。逆転するのは50代前半
- 採用を増やす見込みの企業は、40代後半で46.7%
- 面接する側が見ているのは、部下の人数ではなく「何を決めてきたか」
- 応募の前に、スカウト型のサービスに経歴を置いて「声がかかるか」を見る
- エージェントは2社まで。総合型のハイクラス向けと、自分の職種の専門型を1社ずつ
- 職務経歴書の最初の数行には、肩書きではなく「決めたこと」をひとつ書く
40代の転職は、応募する前の段階でほとんどが決まります。外からどう見えているかが分かれば、動くかどうかは、そのあとで決めても間に合います。
40代で転職した人の年収がどう変わったかは、1分の動画にもまとめています。 40代で転職した人は、上がったのか下がったのか(YouTube)
スカウト型のサービスに経歴を置く前に、自分がいまどの方向に動きやすい型なのかを確かめておきたい方へ。結果では、通りやすい方向と、前に出したほうがいい経験が出ます。
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出典
厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概況」表6 転職入職者の賃金変動状況(2026年8月31日公表)
パーソルキャリア(doda)中途採用担当者調査(2025年8月・505人)