評価の面談で、来期から役職を外れると言われた。等級が一つ下がると言われた。40代で降格を言い渡されると、頭が真っ白になって、何を聞けばいいのか分からないまま面談が終わってしまいます。
私は部長職として、評価をつける側にいます。降格を伝える場面にも立ち会ってきました。この記事では、降格を言い渡されたときに最初に確かめることを書きます。個別の事情が違反にあたるかどうかの判断ではなく、一般的な仕組みの説明です。
降格には、どんな種類があるのでしょうか?
大きく分けて、人事上の降格と、懲戒処分としての降格があります。
| 種類 | 中身 | よくある例 |
|---|---|---|
| 人事上の降格(役職) | 役職を下げる | 課長から課長代理へ、管理職から外れる |
| 人事上の降格(等級) | 職能資格や等級を下げる | 等級制度で一つ下のランクへ |
| 懲戒処分としての降格 | 規律違反への処分として下げる | 就業規則の懲戒事由に当たった場合 |
人事上の降格は、会社が人の配置や評価を決める権限(人事権)の中で行われます。懲戒処分としての降格は、規律違反に対する罰として行われます。同じ「降格」でも、根拠も、確かめる場所も違います。
降格すると、給与はどう変わるのでしょうか?
役職手当や等級に連動した部分が下がるのが一般的です。
役職を外れれば、役職手当がなくなります。等級が下がれば、等級に結びついた基本給の幅も変わります。人事上の措置として役職を下げ、それに伴って賃金が下がる場合は、懲戒の減給に関する労働基準法91条の制限はかからない、と整理されています。
ただし、形だけ降格と呼んで、仕事の中身も責任も変えずに給与だけを下げるような場合は、実質的に懲戒処分と見られることがあります。その場合は、懲戒処分としての手続きや上限が問題になります。

言い渡されたら、最初に何を確かめればいいのでしょうか?
「どの規程にもとづく降格なのか」です。
面談の場で聞いておくことは、三つです。
- 人事上の降格なのか、懲戒処分なのか
- 根拠になっている規程はどれか(就業規則、賃金規程、等級規程など)
- 給与のどの部分が、いつから、いくら変わるのか
その場で答えが出なくても、「規程を確認したいので、該当する箇所を教えてください」と聞くのは失礼ではありません。評価をつける側から見ても、ここを冷静に聞ける人は、話がこじれにくいです。
就業規則では、どこを見ればいいのでしょうか?
懲戒なら「懲戒の事由と種類」、人事上の降格なら「等級・役職の決め方」です。
懲戒処分として降格や減給をするには、あらかじめ就業規則に、どんな場合にどんな処分をするかが書かれている必要があります。書かれていない理由で懲戒の降格をすることはできない、というのが基本の考え方です。
人事上の降格の場合は、等級規程や評価制度の中に、どういう評価が続くと等級が下がるのかが書かれていることが多いです。自分の評価の記録と、その基準を並べて見てください。
処分に、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と言えない場合は、権利の濫用として無効になる、という考え方もあります(労働契約法15条)。ただ、個別のケースがこれに当たるかどうかは、専門家に相談して判断することです。
評価をつける側は、降格をどう決めているのでしょうか?
多くの会社では、一度の失敗ではなく、続いた評価の記録で決めています。
私が見てきた範囲では、降格は「この一件があったから」という形より、「この期間、役割に求めた水準に届いていない」という記録の積み重ねで決まることが多いです。だから、言い渡されたときに見るべきなのは、直前の出来事より、評価の記録がどう残っているかです。
記録に納得がいかない点があるなら、それを具体的に伝えるのが、いちばん話が進みます。

降格のあと、どう動けばいいのでしょうか?
すぐに辞めるかどうかを決めずに、まず新しい役割の中身を確かめます。
降格は、気持ちの面では大きな出来事です。ただ、勢いで辞めると、条件の面で不利になることもあります。新しい役割で何を期待されているのか、評価が戻る道はあるのかを聞いてから考えても、遅くはありません。
よくある質問
降格を拒否することはできますか?
人事権の範囲の降格であれば、一般には拒否が難しい場合が多いとされます。ただ、根拠や手続きに疑問があるなら、確認を求めることはできます。個別の判断は専門家に相談してください。
降格で給与はどれくらい下がりますか?
会社の賃金規程によって違います。役職手当の額や、等級ごとの基本給の幅を、規程で確かめてください。
まとめ
- 降格には、人事上の降格(役職・等級)と、懲戒処分としての降格がある
- 人事上の措置に伴う賃金の低下には、労働基準法91条の減給の制限はかからないと整理されている
- 形だけ降格で給与だけ下げる場合は、懲戒と見られることがある
- 言い渡されたら「どの規程にもとづくのか」を最初に聞く
- 降格は多くの場合、続いた評価の記録で決まっている
この記事は一般的な仕組みの説明で、個別のケースについての法的な判断ではありません。
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出典
- 労働基準法 第91条(制裁規定の制限)
- 労働契約法 第15条(懲戒)
- マネーフォワード クラウド給与「降格による減給」解説(2025年12月更新)