本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります。 40代・50代の転職

70歳就業確保措置とは|努力義務の5つの形と、自分の会社がどれを選んでいるかの確かめ方

「70歳まで働ける時代になった」という話を、ニュースや職場で耳にすることが増えました。ただ、それが会社の義務なのか、誰でも70歳まで働けるのかと聞かれると、はっきり答えられる人は多くないと思います。

私は管理職として、職場で60歳以降の働き方の話を聞く立場にいます。そこで感じるのは、70歳までどう働けるかは、法律より先に、いまの会社が何を選んでいるかで決まっているということです。

この記事では、70歳就業確保措置の中身と実施状況の数字を確かめ、自分の会社の形を確かめる方法を書きます。

※この記事は一般的な制度の説明です。個別のケースの判断や法的な助言ではありません。

70歳就業確保措置とは、何でしょうか?

70歳まで働く場を用意するよう、会社に努力を求める仕組みです。義務ではなく、努力義務です。

高年齢者雇用安定法が改正され、2021年4月1日から始まりました。会社は、次の5つのどれかの形で、70歳までの就業の機会を用意するよう努めることになっています。

ここで押さえておきたいのは、65歳までとの違いです。65歳までの雇用確保は、会社の義務です。継続雇用の対象者を労使協定で絞れる経過措置も2025年3月31日で終わり、いまは希望者全員が対象です。いっぽう、65歳から70歳までは「努めること」にとどまります。

上のほうに短い線が3本ずつ書かれた紙が5枚並んでいる

70歳就業確保措置には、どんな形があるのでしょうか?

5つあり、3つは雇用、2つは雇用ではありません。

形中身雇用かどうか
① 定年の引上げ定年を70歳まで引き上げる雇用
② 継続雇用制度70歳まで再雇用などを続ける雇用
③ 定年の廃止定年そのものをなくす雇用
④ 業務委託70歳まで業務委託契約を続ける雇用ではない
⑤ 社会貢献事業会社が関わる社会貢献事業で働く雇用ではない

④と⑤は「創業支援等措置」と呼ばれます。この2つを選ぶには、過半数労働組合などの同意が必要で、会社だけでは決められません。

椅子がある机と、椅子がない机

雇用ではない2つで、何が変わるのか

業務委託や社会貢献事業で働く場合は、雇用契約ではありません。働き方の自由度が増えるいっぽうで、社員として受けていた労働法の保護や、会社を通じた社会保険の扱いが変わる可能性があります。会社がこの形を選んでいるときは、条件を細かく確かめておく必要があります。

70歳就業確保措置を実施している会社は、どれくらいあるのでしょうか?

3社に1社です。中身のほとんどは、再雇用の延長です。

厚生労働省の「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」(2025年6月1日時点、237,739社)では、70歳までの就業確保措置を実施済みの会社は34.8%で、前の年より2.9ポイント増えました。

区分実施済み
全体34.8%
中小企業35.2%
大企業29.5%

出典:厚生労働省「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」(2025年12月19日公表)

意外に思えるかもしれませんが、大企業のほうが実施の割合は低くなっています。

実施の内訳を見ると、継続雇用制度が28.3%、定年の廃止が3.9%、定年の引上げが2.5%、創業支援等措置が0.1%です。定年そのものを70歳以上に引き上げた会社は、まだごく一部だと分かります。

自分の会社がどの形を選んでいるかは、どう確かめればよいのでしょうか?

就業規則と、再雇用(継続雇用)の規程を見るのがいちばん確実です。

棚に、閉じたファイルが1冊だけ立っている
  • 定年が何歳になっているか(60歳か、65歳か、それ以上か)
  • 継続雇用の上限が何歳になっているか(65歳までか、70歳までか)
  • 継続雇用の対象者に条件があるか(65歳から先は、対象者を絞ることが認められています)
  • 業務委託や社会貢献事業の制度があるか

規程を見ても分からないときは、人事部門に聞くのが早いです。聞きにくいと感じるかもしれませんが、制度を確かめるのは働く側として当然のことです。

60歳以降の給料がどう決まるかは、定年後再雇用で給料はなぜ下がるのかにまとめました。年金を受け取りながら働く場合は、在職老齢年金の記事も関係します。

70歳まで働く前提で、40代・50代のうちに考えておくことはあるのでしょうか?

「いまの会社で70歳まで」と「外で70歳まで」の両方を、早めに比べておくことです。

いまの会社が70歳までの継続雇用を用意していても、60歳以降の仕事と給料は、定年前とは別に決まります。役職を外れてからの働き方は、役職定年で50代に起きることでも書きました。

外で働く選択肢は、年齢が上がるほど狭くなります。50代のうちに、自分の経験が外でどう評価されるかを一度知っておくと、60歳の時点で選べる道が増えます。

PR

管理職・専門職のための会員制転職サイト【ビズリーチ】

職務経歴書を登録しておくと、ヘッドハンターや企業から直接スカウトが届く仕組みです。応募しなくても、いまの経歴に外から声がかかるかを確かめられます。年収が高めの管理職・専門職向けのサービスで、基本の利用は無料です。

ビズリーチに無料登録する

PR

外資系・グローバル企業のハイクラス転職【Samurai Job】

外資系・グローバル企業のハイクラス求人に特化した転職支援サービスです。いまの年収が600万円以上で、課長・部長クラスの経験がある方に向いています。無料の会員登録から始められます。

Samurai Jobに無料登録する

まとめ

  • 70歳就業確保措置は、2021年4月から始まった会社の努力義務。65歳までの雇用確保(義務)とは別
  • 形は5つ。定年引上げ・継続雇用・定年廃止は雇用、業務委託と社会貢献事業は雇用ではない
  • 雇用ではない2つを選ぶには、過半数労働組合などの同意が要る
  • 実施済みは34.8%(中小35.2%・大企業29.5%)。中身のほとんどは継続雇用の延長
  • 自分の会社の形は、就業規則と再雇用規程で確かめる

70歳まで働けるかどうかは、法律より先に、いまの会社の規程で決まっています。規程を一度読んでおくだけで、60歳からの10年の見え方はずいぶん変わります。

いまの自分がどんな働き方の型に入っているかを確かめたい方は、8問1分の診断を用意しています。登録は不要です。

▶ 40代・50代の転職タイプ診断を受ける(8問・1分・登録不要)

-40代・50代の転職
-, , ,